「あにうえ、あにうえ」
そう言って足元に擦り寄ってくる、弟の小次郎が政宗は好きだった。
何をするにもあにうえあにうえで、かわいい事この上ない。
政宗のその気持ちは大人になっても変わらなかった。
いつの間にか、政宗は心の奥底で弟を愛するようになった。
自分の気持ちに気付いてしまった政宗は、その気持ちに蓋をした。
それから、幾年かの年月が過ぎた・・・。
小田原征伐を数日後に控えたある日、政宗は小次郎と母・義姫の住む家へと招かれた。
久しぶりに会う母と弟。
他愛もない話をしているうちに夜も更け、政宗は離れの客間へと通された。
そしてしばらくすると、小次郎が部屋へとやってきたのである。
「Hey!どうした小次郎?」
「兄上にお願いしたい事がございます」
小次郎はかしこまり、深々と頭を下げた。
「私を抱いては下さいませんでしょうか?」
「・・・What?お前、ソレ本気で言ってんのか?」
「はい」
ゆっくりと顔を上げる小次郎の、はだけかけた着物から覗く美しい筋肉に、政宗は息を飲んだ。
ずっと手に入れたかったものが目の前にある。
派手好きの伊達男と言われた政宗が、これを手に入れない訳はなかった。
「OK.弟の頼みを聞かねぇなんてcoolじゃねぇからな」
政宗は小次郎のもとへ歩み寄ると、その肩をそっと抱き寄せた。
緊張しているのか、小次郎の身体はわずかに震えている。
「小次郎・・・衆道は初めてなのか?」
「・・・はい、ずっと兄上を慕っておりました。幼き頃よりずっと・・・」
「そうか。俺もだ」
政宗は小次郎の頬に軽く口付け、耳元で囁いた。
「もっと早くに、こうしておくんだった」
その後耳朶を甘噛みされ、こそばゆさから逃げようと身をよじる小次郎の懐に手を入れる。
女のものとは違う、硬い胸板。
ずっと想っていた弟の身体に触れている、と思うだけで興奮した。
それは小次郎も同じのようで、兄に触れられていると思うと背筋がゾクゾクとしていてもたってもいられなくなった。
自ら着物を脱ぎ捨て、政宗の着物にも手をかける。
政宗はその手を取るとべろりと舐め、小次郎を制した。
「焦んじゃねぇ・・・partyはこれからだろ?」
「あっ・・・に、うえ・・・」
政宗の舌は小次郎の手から腕、腕から鎖骨へと移動していく。
乳首を甘噛みすると、小次郎の身体がびくりと跳ねた。
その隙に政宗は、小次郎の男根へと手を伸ばした。
「ひゃっ・・・!!あ、あにうえぇ・・・」
されるがままの弟に気を良くした政宗は、露わにした男根をそっと口に含んだ。
目の前で行われている兄の口淫に興奮する弟。
「ぁ、あああっ!!!」
いとも簡単に達してしまい、政宗の口に白濁した液体が流れ込んだ。
「はぁ、はぁ・・・、すみませ、兄上、限界で・・・」
息も絶え絶えに謝る小次郎を横目に、政宗は喉を鳴らして精液を飲み込んだ。
「謝る事ァねぇよ。それよりも・・・もっと楽しもうぜ?」
政宗の唇が、小次郎の唇にゆっくりと重なった。
「あっ、あっ・・・ああっ!!」
政宗は何度も何度も、小次郎に腰を打ちつけた。
ずっと夢に見ていた、諦めていた小次郎との甘い時間。
時に激しく、時に優しく、政宗は小次郎の身体を堪能する。
「ぁ、兄上・・・」
涙目で見つめられると、より気分は燃えた。
弟を抱いている。
その背徳感が政宗をより興奮させた。
「兄、うぇ・・・、はっ、ぁ・・・私は、兄上を・・・ぁあっ、伊達家を・・・心から、愛しておりまする・・・」
小次郎は息も絶え絶えになりながらも、政宗の耳元でつぶやいた。
「どうか・・・どうか守って、くだされ・・・んっ・・・家臣たちも、はぁっ・・・母上も・・・どうか・・・!」
涙を流しながら政宗に嘆願する小次郎。
「Ha、おかしなヤツだな。まるでお前が戦場に行くような言い草じゃねぇか」
政宗は攻める手を緩めることなく、小次郎の中を突き進む。
もう、小次郎に喋る余裕など残っていなかった。
快感に魅入られ、周囲の音も聞こえていない。
それがわかっていながらも政宗は、小次郎の耳元で囁き返した。
「All right!!俺が伊達家を、母上を・・・家臣もお前も、みんな守ってやるぜ」
それが聞こえたか聞こえないか、小次郎は絶頂に達し気を失った。
「あ、あっあっ・・・も、あにうえ・・・あにう、ぇ・・・はぁあああっ!!!」
「ん・・・くぁ・・・こ、じろう・・・!!!」
小次郎に続き、政宗も弟の中で果てた。